「Hello! インディー」『都市伝説解体センター』開発者インタビュー

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sal May 16, 2025 · 1 min read
「Hello! インディー」『都市伝説解体センター』開発者インタビュー
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ゲームの世界に没頭してもらえたみたいで何よりです。実は冒頭部分は、開発後期にガラッと変更したんですよ。
今回パブリッシャーである集英社ゲームズさんと協力していることもあり、元々漫画の編集を担当されていた集英社ゲームズの社員の方にシナリオを見てもらう機会がありました
チュートリアル部分をプレイしてもらったのですが、その際に漫画の第1話として考えた時に、内容が物足りないというコメントをいただきました。

当初は、長めのチュートリアルを終えてから、第1章に進むようなスロースタートな構成で作っていたのですが、とにかく最初の10分でユーザーを惹きつけることが大事だというアドバイスをもらい、チュートリアル部分でそのまま第1章を丸ごと体験できるような構成に変更しました。

ストーリー部分では全話を通したキャラクターの成長や、キャラクター同士の関係性の変化を順序立てて落とし込むように工夫しました。あざみがエピソードを追うごとに少しずつ成長し、ジャスミンとの絆も深まっていくことが体感できるようになったと思います。

SNSの便利で楽しいけれど、ちょっと憎い感じをゲーム内で表現してみたかったんです。これまでSNS上でのいろんなデマや誤情報、誹謗中傷などを見てきたということもありますが、コロナ禍によってそれらがより身近で起きている出来事だと感じたんですよね。そういったコメントは社会的によくないのでは……ってことをエンタメ的に伝えるいい機会だと思ったんです。

そうですね。都市伝説って人のうわさから生まれるものじゃないですか? そんなうわさが人を襲う事例をここ最近たくさん見てきて……それがまるで化け物みたいだなとも思ったんですよ。なので、都市伝説を描くとなると、現代のSNSは外せない要素だと思いました。

そうなんです。派手で且つ、見た目にも気持ちよさがある演出を狙っていました。「特定」や「解体」といった廻屋のポーズだけでなく、背景のピラミッドや、謎解きパートで出てくるアイ・オープナーなどの演出にも意識しています。

都市伝説にはいろんなジャンルがありますが、その中でも「古代文明」や「オーパーツ」はストーリーに絡ませるのは難しいけれど、都市伝説を象徴するような夢のあるジャンルなので、なんとかゲーム内に取り込みたいと考えていました。
「特定」「解体」シーンはゲーム内でも非常に重要なパートなのですが「調査の結果をまとめて選択肢を選ぶ」という地味な操作になるため、廻屋の脳内空間というファンタジー要素を最大限活かす形で古代文明「マヤ」のピラミッドやオーパーツめいたアイ・オープナーを登場させることにしました。

ちなみに、合わせた手のひらをずらす「解体」のポーズには「ある意味」が込められているのですが、ネタバレになってしまうので秘密で……。

例えば、調査パートで推理するシーン。穴埋め形式の謎解き部分は間違えても進みやすいように、1つでも正解したらその部分は表示したままにしています。さらに、そこで間違えても嫌な気分にならないような、あざみのセリフが用意されています。

また、会話部分もスムーズに進められるようにこだわっています。あざみの次のセリフは、自分で選ばなくても、自動的に新しい選択肢にカーソルが合うようにしています。なので、ボタンひとつで、基本的には話が進むようになっているんですよ。

シナリオの関係上、僕らとしてもどうしてもエンディングにたどり着いてほしい!という想いがあったので、難しくて途中で離脱しないようになるべくプレイしやすくすることを心がけました。
ちなみに……エンディングのネタバレも恐れていましたが、みなさんネタバレしないようにSNSでコメントしてくださっていて、大変ありがたいです。

本作は、「最近、ゲームを最後まで遊べていない」「少しゲームやネットに疲れてしまった」――そんな方にこそ手に取っていただきたいと思い、制作しました。
複雑な操作やゲームオーバーの心配はなく、物語を楽しむことに集中できる設計にしています。
エピソードは連続ドラマのような1話完結形式で構成されており、先の気になる展開で結末までたどり着け、達成感や満足感をしっかりと味わっていただけるはずです。
ぜひ、都市伝説の裏側に隠された真実に触れてみてください。